多く含む食物

キャベツ、小麦の胚芽油、アーモンド、ピーナッツ、大豆、ほうれん草、ブロッコリー、モヤシ、ピーマン

からだでの働き

抗酸化作用、細胞膜のダメージを予防する

一日に必要な摂取量

10mg(アーモンド40粒、ピーナッツ200粒)

不足したときどうなるか

貧血、不妊症

過剰のときどうなるか

あまり問題はない 

中年になると、とかく気になるのが老化である。老化によって視力や記憶に衰えがはっきりとあらわれてくる。このような症状に対して効果があるのが、ビタミンEだ。

また、女性の更年期には女性ホルモン(エストロゲン)の生産が極端に落ちるので、からだはずいぷんと変化する。ビタミンEは女性ホルモンの分泌をスムーズにしてくれるので、しっかり摂りたい。

老化が起こる原因の一つに過酸化脂肪の生成があげられている。油が酸素によって酸化したのが過酸化脂肪で、焼魚を空気中にしばらく放置しておいたり、古くなった天ぷら油やカツオブシにも過酸化脂肪ができる。

しかし、ビタミンEの重大さはこれだけではない。種の保存だけでなく、ビタミンEは「抗酸化物質」として体内で有害な物質ができるのを防いでいるのだ。

たとえば、脂肪を食べると消化されて脂肪酸ができるのだが、この脂肪酸はしばしば酸化され、「過酸化脂肪」というからだにとても有害な物質に変身する。どういうふうに有害かというと、過酸化脂肪は老化を促進したり、がんを発生させる犯人とされているのだ。

そこで、ビタミンEの出番がやってくる。ビタミンEは、過酸化脂肪ができるのを防ぐので、老化やがんを食い止めると期待されている。

また、いくつもの実験から、ビタミンEが足りなくなると、細胞が老化しやすくなることが確認されている。とりわけ、赤血球に著しい老化が見られる。

老化した赤血球は、いとも簡単に壊れてしまう。赤血球の大事な仕事は、酸素を体内のすみずみの細胞に運ぶことだが、壊れた赤血球ではそれができなくなる。このため、ビタミンEが不足すれば、細胞が酸欠状態になって貧血に苦しむわけだ。

また、ビタミンEは血栓を防ぎ、心臓マヒを予防する。

だから、ビタミンEを十分に摂収しなければならないのだ。そこで、気になるのは副作用だ。しかし、ビタミンEの副作川はこれまでに報告されていないから、あまり心配することはないと思う。

一目に摂りたいビタミンEの量は、女性では八ミリグラム。一方、男性では10ミリグラムである。これは、アーモンドなら四〇粒、ピーナッツなら二〇〇粒に相当する。

それから、あまりたくさんの不飽和脂肪酸を摂ると、酸化によって過酸化脂肪もたくさんできる。これを分解するには、ビタミンEをより多く摂るべきである。

ビタミンEのことを”トコフェロール″という。トコフェロールは、「トコ」「フェレイン」「オール」という三つの言葉をつなぎあわせてつくった合成語だ。「トコ」は子供を生む、「フェレイン」は妊娠、「オール」はアルコールを意味する接尾語である。つまり、トコフェロールには「子供を生ませるアルコール」という意味がある。

勘違いされると困るが、アルコールとは生化学では水酸基がくっついた分子なら何でもこう呼ぶ。

さて、ビタミンEはどのようにして発見されたのだろうか?

一九二〇年ころ、カリフォルニア大学バークレー校のマクリーンーエバンス教授とスコットービショップ博士は、ネズミを人工飼料で育てようとしていた。人工飼料の成分は、タンパク質、糖類、脂肪、ビタミンA、C、D、チアミン(ビタミンB1)であったから、この当時としては、栄養満点のエサだ。こんなにいいエサを食べたネズミは、スクスクと育つに違いない、と彼らは期待した。その期待を裏切ることなく、ネズミは大きく成長した。

だが、どうしたことだろうか。ネズミはりっぱに成長したが、うまく増えなかったのだ。何かがエサに足りないため、ネズミが不妊症になったことは明らかだ。

彼らは、エサに不足している物質を突き止めるために、さまざまな食品をエサに混ぜて、ネズミが増えるかどうかを確かめた。この研究をはじめて二年がすぎた1922年のこと。エサにわずかの酵母や新鮮なレタスを加えると、ネズミが子を生みはじめたではないか。こうして、エバンスとビショップはネズミの不妊症が酵母や新鮮なレタスで治ることを発見した。

酵母や新鮮なレタスには、不妊症を治すまだ知られていなかった栄養素が含まれていたのである。彼らは、この未知の栄養素を「ファクターX」と名づけた。

なおも研究を進めると、ファクターXはアルファルファ、小麦の胚芽油、肉類、牛乳にも含まれていることがわかった。そうなれば、ファクターXを追跡したくなるのは科学者として当然である。

多く含む食物

タラの肝臓、チーズ、ヨーグルト、牛乳、イワシ、サンマ、レバー、さつま揚げ、サケの薫製

からだでの働き

骨の発育、カルシウムの吸収

一日に必要な摂取量

0.05mg(イワシニ匹、サンマー匹、牛乳一本)

不足したときどうなるか

骨の発育不全、くる病、骨粗しよう症

過剰のときどうなるか

吐き気、下痢、体重の減少 

ビタミンDが、からだにとっていかに大事なものかはおわかりいただけただろう。だが、とても幸運なことに、人体に必要なビタミンDの大部分は、さんさんと輝く太陽のもと、私たちの皮膚のなかで生産されているのだ。それもわずか20分から20分間、週に約三回、日光に当たるだけで、コレステロールからビタミンDが合成されるのだ。

「なあんだ、それならわざわざビタミンDを摂るまでもない」と早合点してはいけない。なぜなら、ビタミンDがいつも順調に合成されるわけではないから、安心はできないのだ。

ビタミンDとカルシウムを十分に摂っているならば、カルシウムが吸収されるうえに、無機リン酸もつくられるから、両者が反応してハイドロキシアパタイトができる。このハイドロキシアパタイトが骨や歯にくっつくことによって、強くて丈夫な骨や歯ができるのである。

それでは、もしかりにビタミンDが不足するとどういうことになるのか、考えてみよう。

ビタミンDの仕事は、頑丈でしっかりした骨や歯をつくることである。だからもし、ビタミンDが不足すれば、骨が硬くならない。すなわち、骨は柔らかいままだ。これが”くる病”である。

また、動物にビタミンDが不足した食物を与えると、胎児がうまく発育できない。このように、ビタミンDは胎児の骨をつくるのに必須なのだ。いや、胎児の骨だけではなく、大人の骨にもずいぷんとかかわっている。たとえば、日本全国の老人の1000万人は「骨粗しょう症」に苦しんでいるといわれるが、この病気もビタミンDやカルシウムの不足によって発症することが確認されている。

小学生~高校生は成長が著しい時期で、毎月のように背が伸びる。親にとってわが子の成長は楽しみなこと。この時期には子どもの背がクンダン伸びるから、ビタミンDを十分に与えて骨にカルシウムを蓄積させ、骨を強く丈夫にさせたい。

もちろん、この時期には骨ばかりが伸びるわけではない。からだも大きくなるのでタンパク質も、そして元気いっぱいに走り回るためのエネルギー源としての糖類(炭水化物)も必要である。

多く含む食物

ニンジン、ほうれん草、ブロッコリー、牛乳、バター、チーズ、レバー、ノリ、ヒ ジキ、ウナギ(なお、ニンジン、ほうれん草、ブロッコリーはビタミンAだけでなく、β‐カロチンも豊富に含む)

からだでの働き

網膜でロドプシンをつくる、皮膚を強くする、粘膜細胞をつくる

一日に必要な摂取量

1mg(ニンジン三分の二本、レバーニ切れ)

不足したときどうなるか

とり目、失明、免疫力低下

過剰のときどうなるか

頭痛、不眠症 

職場でパソコンを使う人は何時間もスクリーンを見なければならないし、テレビやゲームが好きな人は画面を長い時間見ている。受験生は毎日机に向かって、夜遅くまで本とにらめっこしながら、小さな文字を書き込んでいる。OL、主婦、受験生たちの目が疲れるのは無理もない。

また、頭が痛い、肩や首が凝ったという経験をおもちの方も多いだろう。とりわけ、目を使うときに、このような症状が出るのを眼精疲労という。

眼精疲労は目の毛様筋が疲れることで起こる。毛様筋という小さな筋肉は、水晶体の厚さを変化させることで目に入る光の焦点を合わせている。たとえば、コンピュータを使うとき、私たちは毛様筋を使っているから、長い時間スクリーンを見ていると、毛様筋は過労になってしまうわけだ。

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