栄養素


「栄養難民」からの脱出

サプリメントを利用する際に注意しておきたいことがある。それは、サプリメントは食事の代わりに食べるものではないということだ。SF映画の登場人物のように、三食をすべてサプリメントで済ませてしまうのは、現実の食生活ではとても危険なことである。

たとえば、サプリメントによってビタミンDを摂りすぎると、下痢や吐き気などの症状をまねくことがある。また、ビタミンAを過剰に摂取すると、不眠症や頭痛に悩むこともあるのだ。

サプリメントは、不足した栄養素をからだに補給するのに有効であるが、あくまでも中心は食事であるということを忘れてはならない。


こんな人こそ「サプリメント」を利用したい

慌ただしく、高ストレスな社会を健康に生き抜く「知恵」として、”サプリメント”を活用することはよいことだと思う。

では、どんなときに。サプリメント”の効果が期待できるのだろうか?

それは、ある栄養素が不足して、特有の症状が出たときである。

たとえば、ビタミンCが不足すると、出血、貧血、全身の倦怠感に苦しむ”壊血病”にかかる。ふだんから、野菜や果物を食べていれば問題はないが、糖尿病など、カロリーの摂取を抑えねばならない人は、そうもいかない。


「サプリメント」が必要とされる理由

生きているかぎり、健康でいたいと願うのは当たり前のことだ。この願いを妨げる最大の敵は、病気である。とりわけ、がん、心臓病、脳卒中はワースト3で、日本人の”天敵″といえるだろう。

厚労省が盛んに提唱しているように、このワースト3の病気は「生活習慣病」と呼ばれ、その原因は生活習慣にある。

がん、心臓病、脳卒中の発生にかかかる具体的な要因としては、「食生活」「運動」「休養」「飲酒・喫煙」などがあげられるが、やはり、”食生活”に関してが、とくに注意を必要とし、知識が求められるのである。

外食の多いビジネスマンや独身者は、食事が高カロリーになりがちであり、肥満になりやすい一方で、ビタミン、ミネラル、ファイバーが不足する。

いまの日本では、カロリー不足による栄養失調はまれであるが、好き嫌いがますます増加しているため、栄養のバランスが欠けてしまいがちなのだ。


ビタミン、ミネラル、ファイバーが注目される理由

テレビに「水戸黄門」という人気番組がある。天下の副将軍、水戸光圀か家来である助さん、格さんとともに諸国漫遊の旅の先々で、悪人どもを懲らしめるという時代劇である。

この番組の主役はもちろん黄門様。脇役は、黄門様を守る腕っぷしの強い助さんと格さん。そして、庶民をいじめる悪代官がカタキ役といったところだ。

私たちの食生活にも、この"配役”がピタリとあてはまる。


栄養を管理する「新しい方法」

最近の栄養学の研究では、いろいろなことが明らかになっている。たとえば、食べ物には「栄養補給の機能」だけでなく、「からだの機能を調節する働き」があることがわかった。

オリゴ糖やファイバーの整腸作用や、EPA(エイコサペンタエン酸)の心筋梗塞や血栓予防効果などが、これである。

このように、古い栄養学の知識のままで健康を管理している時代は、すでに終わっているのである。最新の栄養学では、ビタミン、ミネラル、ファイバーといった栄養素が、「サプリメント」から簡単に補えるのだ。

現代の新しい栄養学を理解し、サプリメントをうまく併用することで、”健康”をマネージメントする時代がきているのである。 


ミックスジュースからビタミンCが消えた

正しい知識をもっていないと、せっかく健康に気をつかっていても、何の意昧もないという例を一つ紹介しよう。

私の知人で、ビタミンCが豊富なハッサクとビタミンAを多く含むテンジンのミックス・ジュースを毎朝飲んでいるので、AとCは子分に摂れていると胸を張る人がいた。

しかし、その知人は大きな過ちをおかしていることに気づいていない。そのミックス・ジュースには、ほとんどのビタミンCがなくなっているのである。これは、いったいどうしたことだろうか?

じつは、ニンジンには、ビタミンCを破壊する「アスコルビナーゼ」という酵素が含まれているのだ。アスコルビナーゼは、ニンジンをすりおろしたり、細かく切ったりすると、はじめて活動をはじめる。


成人病から生活習慣病の時代へ

いわゆる、"おいしいもの”は、どうしても糖類(炭水化物)、タンバク質、脂肪(脂質)といったかつて「三大栄養素」と呼ばれたものが多く含まれていて、ビタミン、ミネラル、ファイバー(食物繊維、ダイエッタリー・ファイバーといった栄養素が不足する傾向にある。なお、人体の脂質の九五%は脂肪であるため、脂質のことを脂肪と表現することが多い。

一九九六年から厚労省は、「成人病」という呼称をやめ、「生活習慣病」という新しい用語を導入した。

これは、いままで成人病と総称されていた病気が、文字どおり、生活習慣にその原因があると注意を呼びかけ、病気の予防および発症の抑制を促したものだ。

40歳をすぎたから、成人病の一つや二つはしようがない―といった「甘え」は、これからはもう通用しないというわけだ。まさに、この名称変更は、厚労省のファインプレーといえる。


現代人が陥っている栄養難

ショッピングセンターに行けば、カニ、エビ、マクロ、サザエ、霜降りの牛肉など高級食材がずらりと並び、街を歩けば、エスニック・レストランで世界各国の料理が食べられる。テレビでは、料理バラエテイ番組が高視聴率を誇っている。

食に関していえば、いまの日本は、まさに、わが世の春である。しかし、そんな飽食の国が、食生活において大きな危機を迎えているといったら、驚かれるだろうか。

たしかに、第二次大戦の直後のような食物の絶対量が不足するといった”食糧難”は存在しない。だが一方で、グルメになった現代の日本人は、栄養のバランスを著しく欠いた。栄養難”に陥っているのである。これが脅しでないことは、1950年代から最近までの日本人の死因の変化が証明している。

ストレプトマイシンやカナマイシンといった強力な抗生物質の発明や衛生環境の向上などの理由によって、かつて「死の宣告」であった結核での死者は激減した。しかし、それにとってかわったのが、がん、心臓病、脳卒中である。この三つの病気だけで、何と日本人の死因の六割を古めているのだ。


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