最近の研究では、ビタミンの超能力がますます明らかになってきて、まさに救世主的な存在となっているが、私たちがどこまでビタミンの真実の姿を理解しているのかというと、かなり疑問だ。
まるでビタミンを万病に効く、「元気の素」のようにもてはやしているが、じつは、度を超したビタミンの摂取は、逆に健康を損ねる結果となる。要は、”風説”に踊らされることなく、正しい化学的知識をもつことが大切なのである。
ところで、私たちの最大の関心事は「ビタミンはほんとうにがんに効くのか」ということだと思う。がんに効くという科学的根拠は実際にあるのだろうか?これはます、なぜ人はがんにかかるのかを考えてみるとわかりやすい。
遺伝子であるDNA(デオキシリボ核酸)にダメージを与える物質は、どんなものであろうと「発がん性」がある。このような性質をもつものを「発がん性物質」と呼ぶが、発がん性物質はどのようにしてDNAにダメージを与えるのだろうか。
DNAは外側がマイナスに帯電している。これがポイントだ。このためマイナスに帯電している物質が近づいても、お互いに反発しあう。反対に、プラスに帯電した物質は、DNAにやすやすと接近できる。もちろん、プラスに帯電した物質は接近するばかりか、DNAに衝突してダメージを与える。
つまり、発がん性物質は電気的にプラスになっているか、これに近い状態のものである。とすれば、発がん性物質にマイナスに帯電している電子を与えれば、プラスの帯電はなくなり、DNAと化学反応しなくなるわけだ。
相手に電子を与える性格をもつ物質は「抗酸化物質」と呼ばれるが、ビタミンA、C、E、バーカロチン(カロテン)、フラボノイド(緑茶や柑橘類などに含まれる植物色素)などがある。
こういうわけで、ビタミンががんの発生を抑えると期待されているのである。