ビタミンDが骨をつくるしくみ

ビタミンDの仕事は、頑丈でしっかりした骨や歯をつくることである。だからもし、ビタミンDが不足すれば、骨が硬くならない。すなわち、骨は柔らかいままだ。これが”くる病”である。

また、動物にビタミンDが不足した食物を与えると、胎児がうまく発育できない。このように、ビタミンDは胎児の骨をつくるのに必須なのだ。いや、胎児の骨だけではなく、大人の骨にもずいぷんとかかわっている。たとえば、日本全国の老人の1000万人は「骨粗しょう症」に苦しんでいるといわれるが、この病気もビタミンDやカルシウムの不足によって発症することが確認されている。

小学生~高校生は成長が著しい時期で、毎月のように背が伸びる。親にとってわが子の成長は楽しみなこと。この時期には子どもの背がクンダン伸びるから、ビタミンDを十分に与えて骨にカルシウムを蓄積させ、骨を強く丈夫にさせたい。

もちろん、この時期には骨ばかりが伸びるわけではない。からだも大きくなるのでタンパク質も、そして元気いっぱいに走り回るためのエネルギー源としての糖類(炭水化物)も必要である。

それではビタミンDはどんなしくみで丈夫な骨をつくるのだろうか?

私たちの骨をつくっているのは、「ハイドロキシアパタイト」という硬い物質である。このハイドロキシアパタイトにしても、さらに細かく見ていくと、無機リン酸とカルシウムからできている。

ビタミンDの役割は、大ざっぱにいって二つある。それは、カルシウムを吸収させることと、リン酸の形を変えることである。

さっそく一つめの役割から見ていこう。イワシ、シシャモ、牛乳など、食べ物や飲み物としてからだに入ったカルシウムは、小腸まで行き、ここで血液に入る。このときに、ビタミンDが活躍している。すなわち、ビタミンDは、このカルシウムを小腸から血液に移動させているのだ。

だから、もしビタミンDが不足すれば、カルシウム豊富な食物を食べたとしても、小腸を素通りして体外に出ていってしまう。いわば、ザルみたいな状態である。ビタミンDがなければ、せっかくカルシウムを摂っても、からだには吸収されないのである。

ビタミンDのもう一つの役割は、リン酸の形を、骨にならない有機りン酸から、骨になる無機リン酸へと変えることである。

もう少し詳しくいうと、リン酸には炭素にくっついた有機リン酸、それから炭素に結合していない無機リン酸の二つがある。このうち、骨の成分になるのは無機リン酸で、有機リン酸は骨にならない。もしビタミンDが不足すれば、十分な量の無機リン酸ができないため、がっちりした骨をつくれない。だから、ビタミンDをしっかり摂って、カルシウムの吸収力を上げ、無機リン酸を増やすことが丈夫な骨づくりにつながるのだ。  

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